膀胱炎は、膀胱に細菌が感染して炎症を起こす病気で、特に女性に多く見られます。急性膀胱炎は、トイレが近い、排尿時の痛み、残尿感などの不快な症状を引き起こします。早期の診断と適切な治療で改善が見込まれる疾患です。
主な原因は大腸菌などの細菌が尿道から膀胱に侵入し、感染することです。
女性は尿道が短く、肛門に近いため感染しやすい傾向があります。
性交渉、疲労、ストレス、水分不足、排尿の我慢などが誘因になることがあります。
膀胱炎は適切な治療で速やかに改善しますが、放置すると腎盂腎炎などに進行する恐れがあります。排尿に関する不快な症状がある場合は、早めにご相談ください。
過活動膀胱(OAB:Overactive Bladder)は、急に強い尿意を感じてトイレに行きたくなる「尿意切迫感」を主な症状とする疾患です。頻尿や夜間頻尿、切迫性尿失禁(尿意に間に合わず漏れてしまう)を伴うこともあります。加齢とともに増加し、男女問わず中高年に多く見られますが、適切な治療で改善が期待できます。
明確な原因がわからないこともありますが、加齢や神経系の異常、脳卒中や脊髄疾患、前立腺肥大症、膀胱の異常な収縮などが関係しているとされています。
過活動膀胱は、日常生活の質(QOL)を大きく低下させる疾患ですが、適切な治療により改善が期待できます。頻尿や尿意切迫感にお困りの方は、我慢せずにご相談ください。
腹圧性尿失禁は、咳やくしゃみ、笑った時、重い物を持ち上げた時など、お腹に力が入った際に尿が漏れてしまう状態です。特に出産経験のある女性や中高年の女性に多く見られる症状で、骨盤底筋の緩みによって尿道の閉まりが悪くなることが原因です。
主な原因は骨盤底筋の緩みです。出産や加齢、肥満、慢性的な咳・便秘、ホルモンバランスの変化などが影響して、尿道を支える筋肉が弱くなることで尿漏れが起こります。
腹圧性尿失禁は多くの女性が経験する症状ですが、適切な治療により大きく改善することが可能です。「年齢のせい」とあきらめず、お気軽にご相談ください。
切迫性尿失禁は、急に強い尿意を感じてトイレに間に合わずに尿が漏れてしまう症状です。過活動膀胱に伴って生じることが多く、生活の質(QOL)に大きな影響を与えることがあります。中高年以降の男女に多く見られますが、治療によって改善が期待できます。
膀胱が勝手に収縮することが主な原因です。過活動膀胱や脳・脊髄疾患、ストレス、老化、ホルモンバランスの変化などが関係することがあります。
切迫性尿失禁は恥ずかしい症状のため、受診をためらう方も少なくありませんが、適切な治療で大きく改善することが可能です。お困りの方は一人で悩まず、お気軽にご相談ください。
間質性膀胱炎は、膀胱に慢性的な炎症が起こり、膀胱の痛みや圧迫感、頻尿、尿意切迫感などを引き起こす病気です。通常の膀胱炎のような細菌感染は見られず、原因がはっきりしないことが多いのが特徴です。女性に多く、日常生活に支障をきたすこともあるため、適切な診断と長期的なケアが必要です。
原因はまだ完全には解明されていませんが、膀胱の粘膜の防御機構が弱まり、刺激物質が膀胱壁に影響を与えることで炎症が起こると考えられています。自己免疫、アレルギー、神経因性の異常なども関与している可能性があります。
間質性膀胱炎は慢性の経過をたどることが多く、生活の質を大きく左右します。症状でお困りの方は、一人で悩まずに専門の医師にご相談ください。症状の緩和と生活改善を目指した治療を行っていきます。
尿道カルンクルは、女性の尿道口にできる良性の粘膜の腫瘤(できもの)で、特に閉経後の女性に多く見られます。小さな赤い腫瘍のように見えることがあり、痛みや出血、排尿時の違和感を伴うこともありますが、多くは良性であり、治療により改善が可能です。
閉経による女性ホルモン(エストロゲン)の低下が原因のひとつと考えられています。
粘膜が薄くなり、炎症や外的刺激によって尿道口が突出しやすくなります。
尿道カルンクルは良性のことがほとんどですが、症状が続く場合や出血を繰り返す場合には、泌尿器科の受診をおすすめします。日常生活で気になる症状があればお気軽にご相談ください。
膀胱瘤(膀胱脱)は、骨盤底の筋肉や靭帯のゆるみにより、膀胱が膣側に下がって膣から突出する状態を指します。出産や加齢、閉経、肥満などが主な原因で、中高年の女性に多く見られます。排尿や日常生活に支障をきたすことがあり、早めの診断と適切な対応が重要です。
出産(特に経腟分娩)、加齢による筋肉の衰え、閉経による女性ホルモンの低下、肥満、重い物を持つ習慣、慢性的な咳や便秘などが影響して、骨盤底の支持組織が弱まり、膀胱が下がってくることで発症します。
膀胱瘤は命に関わる病気ではありませんが、日常生活に大きな影響を及ぼします。症状がある場合は我慢せず、早めにご相談ください。症状の程度に応じた治療法をご提案いたします。