尿路結石とは、腎臓から尿道に至る尿の通り道(尿路)にできる結石(尿中の成分が固まったもの)です。腎臓、尿管、膀胱、尿道のいずれにも発生する可能性がありますが、特に尿管結石は激しい痛みを伴うことが多いです。
尿中のカルシウム、シュウ酸、尿酸などが過剰になることで、結晶化して石になると考えられています。脱水、食生活、代謝異常、尿の流れの異常、家族歴なども関係しています。
再発を予防するために以下のような生活習慣の改善が有効です:
尿路結石は痛みが強く、再発も多い疾患です。早期発見と適切な治療が重要ですので、腹部や背中に突然の激しい痛みを感じた場合は、すぐに泌尿器科を受診してください。
血尿とは、尿の中に血液(赤血球)が混じる状態を指し、大きく「肉眼的血尿」と「顕微鏡的血尿」に分類されます。肉眼的血尿は尿の色が赤や茶色に見えるもので、顕微鏡的血尿は尿を顕微鏡で見ないとわからない程度の微量な血液の混入をいいます。どちらも腎臓・尿管・膀胱・尿道など尿路の異常のサインであり、精密検査が必要です。
■ 肉眼的血尿
尿の色が明らかに赤色または褐色に見える状態です。血の混じり方によって、鮮血・ピンク色・茶褐色など様々な色調があります。
■ 顕微鏡的血尿
見た目にはわかりませんが、尿検査で赤血球が多数検出される状態です。健康診断などで偶然発見されることが多いです。
血尿自体は症状であり、原因となる疾患によって治療内容が異なります。例えば、膀胱炎であれば抗菌薬、結石であれば自然排石や破砕治療、腫瘍であれば手術や薬物療法などが検討されます。特に肉眼的血尿はがんの早期発見の機会でもあるため、放置せず早めの受診が大切です。
一度でも尿が赤く見えた場合や、健診で血尿を指摘された場合は、必ず精密検査を受けましょう。泌尿器科では、尿路全体を評価して適切な診断と治療を行います。早期発見が重要ですので、お気軽にご相談ください。
膀胱がんは、膀胱の内側を覆う尿路上皮から発生するがんで、50歳以上の男性に多くみられます。初期には無症状のことも多く、血尿で発見されることが多いのが特徴です。早期発見であれば内視鏡による治療が可能で、再発や進行を防ぐための継続的な管理が重要です。
膀胱がんのはっきりとした原因は不明ですが、以下の要因が関係しているとされています:
血尿などの症状がある場合は、早めの検査が大切です。膀胱がんは再発しやすいため、診断後も定期的なフォローが必要です。気になる症状がある方は、泌尿器科にご相談ください。
腎がんは、腎臓にできる悪性腫瘍で、腎実質から発生する腎細胞がんが最も一般的です。早期では自覚症状がないことが多く、健診の超音波検査やCT検査で偶然見つかることもあります。進行すると血尿や腰背部痛、腫瘤などの症状が現れます。
腎がんの原因は明確ではありませんが、以下の要因がリスクとされています:
腎がんは早期発見であれば完治が期待できるがんです。健診や画像検査で腎腫瘍を指摘された場合は、速やかに泌尿器科を受診してください。症状がなくても、定期的な健康チェックが重要です。
尿管がんは、腎臓で作られた尿が膀胱に流れる通り道である尿管に発生する悪性腫瘍です。膀胱がんと同じ尿路上皮から発生することが多く、膀胱がんの既往がある方に発生しやすい傾向があります。比較的まれながんですが、進行すると腎機能への影響や転移のリスクがあるため、早期の発見・治療が重要です。
尿管がんの原因として、以下のようなリスク因子が知られています:
尿管がんは再発や多発のリスクがあるため、診断後も継続的な経過観察が重要です。血尿が出た場合や、尿の異常がある場合は、早めに泌尿器科を受診してください。
慢性膀胱炎とは、膀胱の炎症が長期間にわたって続く状態を指します。通常は細菌感染による急性膀胱炎が繰り返されることで慢性化しますが、非感染性の要因や間質性膀胱炎など他の疾患が関与している場合もあります。女性に多くみられ、排尿時の違和感や頻尿、下腹部の不快感が長く続くのが特徴です。
慢性膀胱炎の原因は以下のようなものが考えられます:
膀胱の不快な症状が続いている場合は、慢性膀胱炎や他の病気が関与している可能性があります。我慢せず、泌尿器科にご相談ください。症状に応じた検査と治療をご提案いたします。
性感染症(STI:Sexually Transmitted Infections)は、性行為によって感染する病気の総称です。自覚症状がないまま進行するものも多く、知らないうちに他者へ感染させてしまう可能性もあります。早期発見と適切な治療により、合併症や将来的な不妊症を予防することができます。
■ クラミジア感染症
性感染症は誰にでも起こり得る病気であり、早期の対応が重要です。症状がなくても感染している場合がありますので、少しでも不安な場合は医療機関でご相談ください。