夜尿症とは、5歳を過ぎても夜間に無意識におねしょをしてしまう状態を指します。子どもの約10〜20%に見られる比較的よくある症状で、成長とともに改善することが多いですが、心理的要因や身体的な原因が関係している場合もあり、適切な対応が必要です。
夜尿症の原因はさまざまですが、主に以下のような要因が考えられます:
夜尿症は決して子どものせいではありません。叱らず、焦らず、子どもを安心させることが最も大切です。心配な場合や長期化する場合は、泌尿器科や小児科にご相談ください。
小児の包茎とは、陰茎の先端(亀頭)が包皮に覆われていて、むくことができない状態を指します。多くの男児に見られる正常な発育段階であり、成長とともに自然に改善することがほとんどです。ただし、炎症や排尿障害を繰り返す場合は医師の診察が必要となることがあります。
生まれたばかりの男児のほとんどは真性包茎の状態です。これは自然な状態であり、成長とともに包皮と亀頭が徐々にはがれ、小学校高学年から中学生頃には多くの子どもが自然にむけるようになります。
小児包茎の多くは自然な発育の一過程であり、慌てる必要はありません。無理にむいたり、強く洗浄したりすると逆に炎症を引き起こすことがあります。不安な点や症状がある場合は、泌尿器科または小児科へご相談ください。
亀頭包皮炎とは、陰茎の先端(亀頭)や包皮に炎症が起きる状態を指します。小児では包茎による汚れの滞留や不十分な洗浄が原因となることが多く、赤みや腫れ、痛み、分泌物などの症状を伴います。適切な治療で改善しますが、繰り返す場合には包茎の管理も重要になります。
亀頭包皮炎の原因は以下のようなものがあります:
無理に包皮をむこうとせず、やさしく洗浄して清潔を保つことが大切です。炎症が見られる場合や、症状が繰り返す場合には早めに受診しましょう。必要に応じて包茎の評価や治療も行いますので、お気軽にご相談ください。
陰嚢水腫とは、精巣の周囲に液体(漿液)がたまって陰嚢が腫れて見える状態です。小児の陰嚢水腫は出生後すぐから見られることがあり、多くは自然に治る良性の病気です。ただし、一部の症例では手術が必要となることがあります。
胎児期に腹膜が精巣とともに陰嚢まで下降する際、腹膜の一部が残って腹水がたまることが原因です(交通性水腫)。通常は1歳頃までに自然に閉じて治癒しますが、閉じずに残った場合は液体がたまり続け、腫れとして現れます。
小児の陰嚢水腫は多くの場合自然に治るため、過度に心配する必要はありません。ただし、腫れが大きくなる、痛みを訴える、急に腫れてきたなどの変化がある場合は、精巣捻転などの緊急疾患との鑑別も含めて早めに受診してください。
精巣捻転とは、精巣(睾丸)が精索ごとねじれて血流が遮断される状態です。突然の陰嚢痛や腫れを伴い、放置すると精巣が壊死してしまう恐れがあるため、緊急の対応が必要です。主に思春期の男児に多く見られますが、新生児や乳幼児にも起こることがあります。
精巣の固定が不十分な「鐘の音様変形(bell clapper deformity)」という状態が原因で、運動や睡眠中、特にきっかけがなくても突然発症することがあります。
精巣捻転は「陰嚢の緊急事態」であり、早急な対応が必要です。お子さんが突然陰嚢の痛みを訴えた場合は、すぐに泌尿器科または救急外来を受診してください。適切な処置が早ければ早いほど、精巣を温存できる可能性が高まります。
停留精巣とは、本来陰嚢内にあるべき精巣が、出生後も陰嚢内に降りてこず、腹部や鼠径部(足の付け根のあたり)に留まっている状態をいいます。生後間もなく自然に下降することもありますが、1歳を過ぎても下降しない場合は治療が必要となります。
胎児期に精巣は腹部から陰嚢へと下降しますが、この過程に異常があると途中でとどまってしまいます。明確な原因は分かっていませんが、早産やホルモンの影響が関係しているとされています。
停留精巣はよくある先天的な異常の一つで、適切な時期に治療することで将来のリスクを軽減できます。健診などで指摘された場合は放置せず、泌尿器科や小児外科での評価・治療を受けることをおすすめします。