前立腺肥大症は、中高年の男性に多く見られる良性の疾患で、前立腺が加齢とともに大きくなり、尿道を圧迫することで排尿に関するさまざまな症状が現れる病気です。
前立腺は膀胱の下に位置し、尿道を取り囲む臓器です。加齢により前立腺が肥大すると、尿道を圧迫し、排尿に支障をきたすようになります。
排尿の悩みは年齢のせいだけではありません。気になる症状がある方は、早めにご相談ください。適切な検査と治療により、生活の質を改善することが可能です。
前立腺がんは、前立腺に発生する悪性腫瘍で、主に中高年の男性に多く見られます。初期には自覚症状が少なく、健康診断などでPSA(前立腺特異抗原)検査を通じて発見されることが増えています。
前立腺がんは早期発見・早期治療により、十分に治療可能ながんです。定期的なPSA検査を受けることが早期発見の鍵となります。ご不安な症状がある方や検査をご希望の方は、お気軽にご相談ください。
LOH症候群(Late-Onset Hypogonadism:加齢男性性腺機能低下症候群)は、男性ホルモン(主にテストステロン)の加齢による減少により、心身にさまざまな不調が現れる状態です。女性の更年期障害に類似していますが、症状はより多様で、徐々に進行するのが特徴です。
加齢に伴い男性ホルモン(テストステロン)の分泌が低下することが主な原因です。ストレスや生活習慣、睡眠不足、過度の飲酒などもホルモンバランスに影響を与えるといわれています。
LOH症候群の診断には以下を行います。
テストステロン値が基準値以下で、かつ症状が認められる場合にLOH症候群と診断されます。
「年齢のせい」とあきらめていませんか?
LOH症候群は適切な診断と治療で改善が期待できます。心身の不調でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
性感染症(STI:Sexually Transmitted Infections)は、性行為を通じて感染する病気の総称です。主にクラミジア、淋菌、マイコプラズマ、トリコモナスなどの細菌や原虫が原因となる感染症があり、男女ともに発症し、無症状のことも多いため注意が必要です。
※感染症の種類によって症状は異なりますが、代表的なものは以下の通りです。
性感染症は早期発見・早期治療が大切です。気になる症状がある方、パートナーに感染の可能性がある場合は、早めに医療機関へご相談ください。プライバシーに配慮して診療を行っておりますので、安心して受診ください。
精巣上体炎は、精巣上体に炎症が起こる病気で、急激な陰嚢の腫れや痛みを伴います。若年層では性感染症(クラミジアや淋菌)が、高齢者では尿路感染症が原因となることが多くみられます。
精巣上体炎の原因は年齢層により異なります。
若年男性ではクラミジアや淋菌などの性感染症が多く、高齢者では前立腺炎や膀胱炎などの尿路感染が関係していることが多いです。
急に陰嚢が腫れた、痛くなったという場合は、精巣捻転など緊急の疾患との鑑別も重要です。早期に正確な診断と治療を受けることが大切ですので、速やかに受診してください。
急性前立腺炎は、前立腺に急性の炎症が起こる疾患で、細菌感染によって引き起こされます。高熱、排尿時の痛み、会陰部(肛門と陰嚢の間)の不快感などの症状が急激に現れます。若年から中高年の男性に見られ、早期の診断と治療が重要です。
主に大腸菌などの腸内細菌が尿道から前立腺に侵入して感染・炎症を起こします。排尿障害、カテーテル使用、前立腺生検後、免疫低下などがリスク因子となります。
急性前立腺炎は放置すると重症化し、前立腺膿瘍や敗血症を引き起こす可能性があります。排尿時の強い痛みや発熱がある場合は、速やかに泌尿器科を受診してください。
慢性前立腺炎は、3か月以上続く前立腺の慢性的な炎症や違和感を伴う病気で、明確な細菌感染が見られない「非細菌性慢性前立腺炎(慢性骨盤痛症候群)」が多くを占めます。20〜50代の男性に多く見られ、再発しやすく、日常生活に支障をきたすこともあります。
原因は明確ではありませんが、ストレスや自律神経の乱れ、骨盤内の血流障害、過去の感染などが関与していると考えられています。
慢性前立腺炎は症状の個人差が大きく、治療には時間がかかることもあります。日常生活での不快な症状にお悩みの方は、我慢せずに早めにご相談ください。
陰嚢水腫は、精巣の周囲に漿液(しょうえき)と呼ばれる液体がたまって、陰嚢が腫れる病気です。成人の場合、炎症、外傷、手術後、または原因不明で発症することがあり、徐々に腫れが大きくなることがあります。良性の疾患ですが、精巣腫瘍との鑑別が重要です。
成人の陰嚢水腫は、以下のような要因で発生することがあります。
陰嚢の腫れや違和感に気づいた場合は、早めに泌尿器科を受診してください。陰嚢水腫は良性のことが多いですが、精巣腫瘍など重大な疾患との見極めが重要です。
精索静脈瘤は、精巣へ向かう静脈(精索静脈)が拡張し、こぶ状にふくらんでしまう病気です。特に左側に多く、陰嚢の違和感や痛み、不妊症の原因となることもあります。成人男性の約10〜15%に見られ、立ち仕事や運動後に症状が強くなることがあります。
精索静脈には逆流を防ぐ静脈弁がありますが、この弁が壊れると血液が逆流し、静脈が拡張してこぶ状になります。左側に多いのは、左精巣静脈が腎静脈に直角に合流し、圧がかかりやすいためです。
陰嚢の違和感や不妊でお悩みの方は、精索静脈瘤が原因である可能性があります。適切な検査と診断によって、治療方針を決めることができますので、お気軽にご相談ください。
包茎とは、陰茎の先端(亀頭)が包皮によって覆われていて、露出しにくい状態のことを指します。成長とともに自然に改善する場合もありますが、成人になっても包皮がむけない場合や、衛生面・性機能・感染症リスクなどの問題がある場合には、治療の対象となることがあります。
包茎はデリケートなお悩みですが、医学的に適切な治療により多くの問題が改善できます。症状が気になる方や、衛生面や見た目でお悩みの方は、安心してご相談ください。
亀頭包皮炎は、陰茎の先端(亀頭)や包皮に炎症が起こる病気で、赤みやかゆみ、痛み、分泌物などの症状を伴います。不衛生な状態や刺激、感染などが原因となり、小児から成人まで幅広い年齢層で見られます。
以下のような原因により発症します:
亀頭包皮炎は適切な治療で改善しますが、繰り返す場合は包茎や感染の有無を確認することが大切です。症状に気づいたら、早めに医師の診察を受けましょう。